Daily Archive2023-05-28

BitcoinNFT Inscriptions

BitcoinでNFTが使えるという、とても興味深いニュースを見たので情報を整理してみました。
NFTはEthereumのスマートコントラクトの規格ERC-721で有名ですが、ついにBitcoinでもBRC-20という新しい規格で実装されました。(トークンの規格でスマートコントラクトではない。Ordinalsという仕組みの上で動作)


NFTで一番の不安は、画像などのデータがブロックチェーンに保存されるのではなくIPFSやホスティングサービスを利用することでした。IPFSが安定してアクセスできなかったり、ホスティングサービスが停止したりすると、いくらブロックチェーンが永続的であっても肝心のデータを紛失することになります。それゆえ一番分散がされていて安定しているBitcoinブロックチェーンにデータを刻むことができるInscriptionは、とても理に適っていると思います。

(画像がないものも多い)

下記「BRC-20とは?ビットコインのトークン規格がもたらす可能性と課題」https://coinpost.jp/?p=459652 より引用。

Inscriptionとは
刻印(Inscription)は、OrdinalsとBRC-20で使用される方法で、ビットコインのトランザクションのウィットネスフィールドにJSON(JavaScript Object Notation)形式のテキストファイルを記述するプロセスを指します。これにより、各サトシにトークンデータを関連付けて記述することが可能になります。

「刻印」されたサトシは、通常のビットコインと同じように扱うことができます。つまり、トランザクションで送受信したり、ビットコインのアドレスに保管したりすることが可能です。

ただし、これら特別なサトシを送信する際には、特定のルール、すなわちOrdinalsプロトコルに従う必要があります。これにより、特別なサトシがどのトランザクションで使用され、どの順序で移動されたかを追跡できるようになります。これは、そのサトシの持つ独特な情報を維持しつつ、ビットコインのブロックチェーン上でのその動きを確認するためのものです。

ウィットネスフィールドとは
Segregated Witness(SegWit)と呼ばれる技術の一部として導入された概念。トランザクションに関連する追加のデータを含む特定のフィールドです。

このようにビットコインの新しいアップデートで可能になった機能を使って実装しているため、複雑なことはできず、トークンの送受信などは専用のツールを使って行われるようです。(スマートコントラクトによるものではないという意味)

下記「ビットコインNFTとは?「Ordinals」が実現するNFTの特徴と仕組みについて解説」https://coincheck.com/ja/article/557  より引用

Segwit方式では、Legacy領域と比較して書き込むデータコストが4分の1で済み、さらに1ブロックに詰め込むことができる最大データの容量が4倍(4MB相当)になるというメリットがあります。

ビットコインNFTの具体的な発行コストは、画像データ100KBの書き込みにつき、通常「約7.5〜15ドル」です。

ビットコインNFTの発行コストは手数料相場に大きく左右され、2satoshi/vBで試算すると上記のコストとなります。高い手数料(およそ20satoshi/vB以上)を払えばすぐに発行できる一方で、発行までに時間がかかっても問題ないのであれば、安い手数料でイーサリアムNFTよりも安価に発行することができます。また、最安の手数料水準である1satoshi/vBの場合は、さらに半額である7.5ドルで100KBのビットコインNFT(Inscriptions)を発行できます。

注意点としては、ビットコインの価格が上がれば15ドル以上の手数料がかかってしまう可能性もあります。そのため、必ずMempool(メンプール)の取引手数料水準を確認した上で、適切な手数料レートを設定するようにしましょう。

詰め込むことのできるファイルの最大サイズは4MBということでしょうか。NFTでの活用がすすむとネットワークが重くなるのではという心配もありますが、通信インフラの性能向上もされていくのでチェーンも維持されていくのでしょう。(機能の増加と性能の向上はともに進む。Windows OSがいつまでたっても重いように・・)

下記動画では、実際にNFTを書き込むまでの手順が紹介されています。

bitcoinデーモンを起動させて、ブロックチェーンの同期、インデックス作成、ord walletにbitcoinの送金などの説明があります。

https://github.com/casey/ord

このブログでもbitcoinフルノードの構築をやったことがあります。

Lightning Network」http://bitlife.me/bc/2022/01/15/

Bitcoin Core」http://bitlife.me/bc/2022/01/04/

最初の動画でテキストファイルを’inscribe’していますが、テキストなのになぜ画像が表示されているのだろうと思い実際に確認したところ、絵文字と特殊フォントの文字でした。

https://ordinals.com/inscription/801beb5fd41d3aba56baebcc2b6aadf591d1f526789c148e7ae4273ba11c6cbbi0

下記サイトの画像がないJsonオブジェクトが表示されるだけのものは、NFTではなくコインのものなのでしょう。

https://ordinals.com/

また下記の動画では、BRC -20コインの購入の仕方が詳しく説明されています。

Etheriumでいうガス代、NFTを買うような感覚がOrdinalsではどうかとか、またフリーミントなどトークンの仕組みについて理解が深まります。